自己破産だけじゃないから、まずは相談を
住宅ローンが払えないと、即自己破産しかないと思う方も多いでしょう。正確には、競売にかけられてしまう、家を失ってしまうだけと思うのは早いです。
まず、住宅ローン滞納をしてしまうまでに、自分の経済状態を確認します。
- 返済額が変われば払うことができる
- 住宅ローン以外の借金がなくなれば払うことができる
- 任意売却を考えている
この3つの可能性がある方の場合、自己破産をする必要はありません。
住宅ローンが払えない状態で、やむを得ず自己破産を選択しなければならないのは、
- 住宅ローン以外にもたくさん債務がある
- その債務を払うだけの収入がない
- もともと生活が出来ないレベル
- 一定収入がない
です。
ですから、上記の状態ではない場合は、絶対に自己破産を考える前に色々と相談をしてから、最終的な自己破産の選択をすることをオススメします。
その中で、ポイントになるのが収入です。今までは住宅ローンを払うだけの十分な収入があったけれど、消費者金融の借入、カードローンの使いすぎなど借金をためた結果、住宅ローンが払えなくなってしまっているケースが多いです。
一定の収入があり借金の債務整理ができれば、もとのように住宅ローンの支払いができる場合、自己破産ではなく個人再生で住宅ローンを払い続けることが出来ます。その他の借金は、大きく圧縮することで生活の立て直しができます。
しかし、そもそも収入がない。途中からでも状況が大きく変化し、今後の収入の見通しがつかないときには自己破産もやむを得ないのですが、それでも、その前に住宅ローンで破産を考えている方は、債務整理専門の弁護士などに相談に行くことをオススメします。最悪、自己破産の債務整理を基準にして、それ以外の良い方法を見つけることができるかもしれません。
任意売却と競売の違い
任意売却は、まだそれほど知られていないことですが、一応は債務整理の種類に入ります。住宅ローンの返済ができなくなった方に対して、そのままの状態なら競売になってしまうマイホームを、自分(正確には不動産会社などが)で売却をして、住宅ローンに充当する方法です。
たとえ、収入が不安定であっても、住宅ローンの支払先である債権者の同意があれば、この物件を市場価格で販売することができます。競売よりも高く売却できれば、債権者に対しての支払いができます。任意売却も競売も自分の手から放すことには違いないのですが、売却価格やその後の生活に大きな差が出ます。
競売は落札になります。安く叩くのが常識ですが、任意売却は競売ではありませんから、安くする必要がないのです。市場相場で売買ができますから、もし評価額が上がっていれば住宅ローン維持用の売却益が出ることもありますが、とにかく目標は住宅ローンの残額以上です。根本的に入手できる金額が、この2つでは違います。
住宅ローンが払えない状態で、もし任意売却が選択できるのであれば、おすすめです。しかし、その他にも消費者金融などの借金がある場合は、そちらだけの債務整理をすることで、住宅ローンは債務整理対象にしないことです。任意売却を行って、売却できたら完済の形を取る。これが任意売却です。
自己破産は最終手段
住宅ローンを始め、今ある借金の返済ができない状態になったとき、自己破産をするとすべての借金がゼロになる画期的な方法です。財産も失い、借金もない0スタートになります。この選択は最終的な一つであることを知らない方も多いです。
金融機関では、住宅ローンの滞納が始まると連絡が来ます。催促であることは違いないのですが、どうにかして、住宅ローンの継続を打診してきます。例えば、病気で働けないときには保険の適用があったり、急なリストラでは猶予期間。大幅な収入源のときには、返済の減額などの相談にのってくれます。
一定収入があれば、ある程度の許容範囲もありますが、そんなことではなく借金地獄でどうしようもない、こんな相談もしてみましょう。では、競売しかないですねという結論になってしまうかもしれませんが、相談の過程で違う方法も見つけることができるかもしれません。
一定収入があり、住宅ローン継続を願う方は個人再生がおすすめです。住宅ローン以外の5000万円の借金を大幅に圧縮して、3年程度で返済していく方法です。住宅ローンは今までどおりの内容ですが、金融機関によっては減額にも対応してくれることで、とにかく住宅ローンは完済することが目的です。
そして、任意売却は住宅ローン完済の目的で物件を売却することです。競売と大きく違うのは、完済が目的であることです。ですから、強制退去もなく、自分で売却を任意売却専門業者や不動産会社に依頼をして、売却を待つ形です。これで、住宅ローン残額があれば支払いに充当し完済になります。
住宅ローンが払えないから自己破産は、こうしたことか出ない場合の手段です。行うのは簡単ですが、とりあえずは家を残す、失うとしても少しでも高くを考えることができます。
自己破産では連帯保証人を守れない!
住宅ローンの支払いができなくなると、金融機関では連帯保証人に請求が行きます。それも一括返済です。
それは絶対に回避しなければならない、なんとか自分でどうにかしよう、それは自己破産。この考え方は、少し違います。債務者が自己破産をしたとしても、連帯保証人も自己破産になります。
住宅ローンを契約するときには、誰もが払えない時の事は考えません。様々な事情から、連帯保証人を守る方法としては、債務整理の個人再生か任意売却です。
債務整理ですが、いずれも住宅ローンは継続が原則で目的は完済です。特に個人再生に関しては、住宅ローンは無傷です。ですから、住宅ローンが払えない状態になったときには、やけになって自己破産ではなく、個人再生を選択しましょう。この手続きは、長期間かかり複雑です。
また、条件として一定収入があることです。完済を目指すのですから、当然のことです。自分で行うのではなく、弁護士費用はかかりますが、弁護士に相談されることをオススメします。いずれは完済、他の借金は減少して生活は立ち直ります。もちろん連帯保証人に迷惑はかかりません。
任意売却は、債権者の同意を得て、住宅ローン最中の物件を売りに出します。その利益で住宅ローンを完済します。ローンの一部変更の形になりますが、返済を目的としたものですから、連帯保証人に一括返済の請求もいきません。
住宅ローンが払えない時の基礎知識として、この2つの債務整理は考えてください。自分を守るだけではなく、連帯保証人の生活もめちゃくちゃにしてしまうようなことは絶対に避けなければならないと思う方には、どちらの選択をオススメします。
消費者金融にたくさんの借金があったとしても、多重債務者であったとしても対応ができます。
自己破産は最終手段と考えて
住宅ローンは高い買い物であり、返済期間が長いケースがほとんどです。一度契約をしたら、そのままではなく借り換えなどでお得になることもあったり、債務返済ができなくなって競売になることもあります。20年・30年という長い住宅ローンですから、きちんと計画は立てるものの、先の事は誰にも予想はできません。
住宅ローンの返済が困難になった時の対処法は、
- 金融機関へすぐ相談
- 家計の見直し
- 借金の確認
こちらをしてみてください。
特に、借金の見直しについて、マイカーローンや教育ローンなどの他に消費者金融やカードローンなどの多重債務者になっている場合は、債務整理も考慮する必要があります。
その前に、このままでは滞納が続いてしまうというときには、金融機関へ返済の減額を打診してみましょう。一定収入があれば、金融機関でも考慮してくれるはずです。
債務整理ですが、自己破産ではありません。住宅ローンを生かすことができる個人再生、消費者金融などの借金に対する任意整理などで、住宅ローンを生かす方法を講じてみてください。
どれもダメな場合は、任意売却です。競売になる前に、住宅ローンの家を売却することです。これで完済ができる事もあります。その他の借金は別に債務整理をした方が良い場合もありますが、収入がある場合は自己破産以外のものを頑張ってみてください。
いろいろと提案をしましたが、自己破産は最終的な決断です。あとの債務整理や任意売却などは、弁護士や専門業者に依頼をすることをオススメします。その上で、どうしようもなく自己破産しかないというところまで、様々な債務整理で借金を整理しましょう。