債務整理の任意整理と特定調停で借金の整理
債務整理には自己破産・個人再生・任意整理・特定調停の4種類があります。
自己破産や特定調停は裁判所を通じて、融資を受けている側である債務者サイドから借金の整理をする申し立てをしますが、任意整理は裁判所を介しません。法律に従って協議が進められていくところは同じなのですが、任意整理はお金を融資した企業や人である債権者と債務者とで話し合っていきます。双方が和解を目指し、借り入れ金額を減らしたり利息を免除するなどして返済できるように導きます。
任意整理では司法書士や弁護士の法律の専門家に依頼をせず、本人が行うことも認められています。ただ、司法書士や弁護士に間に入ってもらえば、債権者と直接やり取りせずにすみます。
任意整理は、任意で話し合いをすることです。協議内容は法律に従って行われるとはいえ、債権者サイドは協議に応じることが義務付けられているわけではありません。債務整理の他の方法とは違い任意整理は任意でのやり取りなので、弁護士に依頼をしたからといって、必ずしも希望に沿う決着になるわけではないことを承知しておきましょう。
個人再生や自己破産を行うとそのことが官報に掲載されてしまいますが、任意整理は載りません。任意で話し合って和解を目指すものなので、融資をしている側の債権者を自由にチョイスできます。任意整理ができたら、そのことが個人信用情報機関のデータベースに5年間登録されます。信用情報に載っている間は、新規で借金ができなくなります。
裁判所を介さない任意整理に対し、裁判所に間に入ってもらうのが特定調停です。特定調停では債権者への交渉を、簡易裁判所にて調停委員が行ってくれます。特定調停のいいところは、司法書士や弁護士に依頼する費用を準備できない時期であっても、任意整理の場合と同様で和解しやすいところです。
特定調停の特徴はほとんど任意整理と共通しているのですが、特定調停で出た決定は調停調書と呼ばれ、裁判所で判決が下された場合と同様の効力を発揮します。ですから、特定調停での決定に背いて支払い延滞などがあると、給与が即座に差し押さえられることもあります。いいところと悪いところの両方を理解し、ご自身に合った債務整理を選んでください。