奨学金が返せない
最近よく耳にするのが、奨学金を返せない方の増加です。もともと奨学金とは、就学目的のローンで日本学生支援機構が提供するものです。高校進学・大学進学は、本人の勉学を金銭面から支援するもので、学校生活を快適に過ごす上では便利なシステムです。
ところが、奨学金は多額になることが多く、利息は最大で3%程度。一見低いようですが、これを返済するのは大変なことです。無事に就職ができた、返済できる目処も付く場合は良いのですが、就職難、リストラなどの現実社会に直面した時に返せなくなってしまうことも多いです。
奨学金を返せないときには、督促状が送付されてきます。この時点では、担当者に連絡して返せないことを話してください。消費者金融のような対応ではなく、現に返せない方が多いことで厳しい口調ではありません。そして、督促もはがきが殆どです。しかし、内容は延滞利息がついてきて、放っておくと返済額はどんどん増額していくのです。
保証人が親の場合、そこにも督促状が行きますが、それだけですからここも放っておく方が多いようです。ですから、激しい取り立てもなくというのが現実で、そのままにしている方は全国に何万人もいると言われています。
みんながなんとなく借金返済をしていないからという風潮もありますが、奨学金を返さない行為は違反そのものです。一応、消費者金融の貸金業とは違う奨学金の場合、返せないときには5年間の猶予などがあります。申請制度で、それを申請することで待ってくれます。
それでも踏み倒すことがあれば、信用情報機関に伝えられブラックリストに載ります。ブラックリストは現実にはないのですが、この先カードローンなどが組めない状態になります。
ある体験談で、奨学金を返せないからそのままにしておいたら、スマホの新機種のローンが組めなかったということです。要するに、奨学金を返さないでいるとローン関係が使えなくなってしまう事態に陥ることから、奨学金を返せないからと言って対応を放っておくと大変なことになります。
普通の借金と違い、事情を常に報告をすることで配慮してくれることもありますから、奨学金を返せない事態になったときには、すぐに日本学生支援機構に報告してください。
そして、今後も返せる見通しがない場合には、債務整理を視野に動くことも仕方のないことでしょう。放っておいてもブラックリストですから、債務整理でのブラックリストは自発的行為と言えるでしょう。この奨学金の問題は、政府でも配慮すべきこととして動き始めています。