残業代請求の手順 証拠集めから訴訟まで

会社から残業代の支払いを受けていない。
未払い残業代がある時には、正当な方法で請求ができます。

証拠集め

どんな残業代請求でも証拠がなくては話しにならないでしょう。
正確な計算をした上できっちりと請求額を算定することが必要です。

ちなみに、この残業代請求は労働者側が行うのは正当なことです。
自分だけでできない場合は、労働問題に詳しい弁護士等に相談して、ともに作業を進めていくことが必要です。企業側の計算ではなく、自分の認識する残業代を正しく算定するため、タイムカード、就職したときの細則等の資料、証拠集めをします。

残業代の計算

正しい数字と請求額を出します。
もらえていないのが今だけではなく、前の分も請求代に入ります。

ちなみに退職は無関係です。在職中でも、経営者に直談判した後でもこの作業をすることは可能です。
とにかく、もらえていない残業代はきっちりと計算して下さい。

会社との交渉

残業代が不足している時点で既に話し合いを持っていることが多いです。
従業員として、もらった給与に不服がある。このときには、正式な数字がでていないので、計算して下さいという交渉です。

今度の会社との交渉では、既に再計算した資料を持って行います。
これだけもらっていないと直談判をすることができます。
ここで、席上に会社側が着くことが目的です。そこで、改めて直談判になります。

直接交渉ではぐらかされる、または交渉に応じない

いくら言っても反応がない場合は、労働基準監督署に申告してください。
残業代不払いがあること、交渉対応しないことを申告して下さい。

労働基準監督署では、指導勧告をすることで、渋々支払いに応じることがあります。
ただし、労働基準監督署では強制力がないので、指導で完了してしまいます。
その後知らん顔の経営者も多いです。

労働審判

交渉も決裂。労働基準監督署の指導勧告も効果がない場合は、労働審判の方法があります。
裁判所で行うのですが、あくまでも裁判関係者が介入した話し合いです。
裁判ではないので、両方の言い分を聞いてもらうことで、未払い残業代が正当性があることを認めさせるものです。

いよいよ労働訴訟

すべての手を尽くしても、残業代の支払いがない場合は、労働訴訟です。
証拠がある場合は、裁判所が厳正に判断して支払いを命じる判決が下されます。
ここで支払うのなら、さっさと前に支払いに応じろと言いたいのですが、企業側としての言い分もあります。
言い負かされないよう、証拠等の資料集めが勝訴の大きなポイントになります。

残業代請求に有効な証拠品とは?

未払い残業代の請求のためには、必ず労働者が持つ証拠品が大きなカギを握ります。
これが揃っていないと請求ができない内容です。

というのも、企業側が資料が揃っていて、労働者が請求したときに口だけでは、対抗は無理です。
法律的にも、証拠が揃っていないと請求ができないとされています。

タイムカード

すべての証拠の基本がタイムカードです。手元にない時には、請求することも可能です。
残業がサービスだから、タイムカードがないという事実がない限り、この証拠品が基本中の基本になります。

勤怠記録

企業によっては、タイムカードとは別の勤怠記録を付けている場合があります。
こちらも残業の証拠としては大切な資料です。

パソコンのログインとオフの記録

出社して最初に行うのが、パソコンの立ち上げとログオンです。そして帰社の時のログオフです。
最近では、この記録時間が大きく残業代の算定基準になることがあります。
勤怠記録がない場合には大きな証拠となるでしょう。

社員IDカード

会社の入っているビルで、社員IDで管理していることがあります。
これもパソコン、タイムカードと同様に出社と帰社時刻の記録として有用です。
使用者側の証拠として、この会社内にこれだけ拘束されたことが証明できるものです。

メールの記録

メールの送信記録が仕事をしていた証拠になります。
会社から、外からにしても、残業代の算定の証拠としては、しっかり対外的に仕事していたと証明ができます。
会社内のメールの記録も同様であり、その時間に働いていて、残業代にあたると宣言可能です。

多少細かなものですが、交通機関で利用したICカードも帰社の記録になります。
会社用に使用しているものがあれば、証拠品として提出ができます。

会社にあるものも多い

この証拠品は、会社で出してもらうものもありますが、しっかりと請求できるものです。
自分の記録ですから、残業代請求にはすべて揃ってることが理想です。

家にあるもので証拠となるもの

給与明細書、源泉徴収票などはずっととっておくことが必要です。
基礎賃金の計算には必ず必要なものです。

就職当初に交付された雇用契約書、労働条件通知書がなくてはならないでしょう。
給与、残業代の計算方法の記載している場合があります。同時の就業規則にも残業代の計算の記載が有るかもしれません。
こちらは、しっかりと確認してみて下さい。

以上が、残業代請求に必要とされる証拠品の数々です。
すべて揃わないにしても、1つでも多くの資料や証拠を収集しましょう。

残業代請求に必要な証拠がないときどうする?

残業代請求をしたけれど、困ったことに証拠品がない場合もあります。
会社側が提示しない場合もありますが。

証拠品がない?

タイムカードがない。勤怠記録がない。ICカードで通勤していない。
パソコンも使っていないし、会社の入っているビルにはIDカードもありません。
雇用契約書もなく、一切の証拠品が揃わない場合は、残業代請求ができないのでしょうか?

会社に開示を求める

この場合は、会社に任意で自分の情報開示を求めていきます。
それは、会社では労働者の情報として、名簿、賃金台帳、雇入れの情報。
解雇記録、災害補償等の書類が存在しています。それは退職後でも3年間は保存しなければならない事になっています。

そのときに、タイムカードの労働時間に関する情報はもちろんのことです。残業代請求ではなく、ここで退職して、失業保険を請求したときには、もし月に100時間を超える残業があるとしたら、猶予期間なくすぐに失業保険をもらうことができます。

これは、ハローワークの方からの指摘でわかった方もいます。
月に100時間以上の残業がある時点で、こうした配慮があります。
会社では、残業記録が逐一残っていて、それが残業代請求と証拠品として提出ができます。
会社では、保管している、しなければならないので、それがないとなると、また別問題になります。

特にタイムカード

労働基準法では、タイムカードは必ず開示しなければならないというものではありません。
そこまでの強制力がないとも言われています。

しかし、裁判になるとタイムカードの開示命令を認めた裁判例も出ています。
それまで、企業側がタイムカード提出を固辞している場合、最終的には会社側がきちんと残業代を出すことになります。

それまでの段階でのタイムカードの必要資料として堂々と請求することができます。
会社側の意図もありますが、残業代請求に関しては、労働者側と会社側のせめぎ合いです。

弁護士に相談が良い

それでも証拠品を集められないときに、有効に残業代請求をするためには、法律専門家のアドバイスが必要です。
アドバイスだけではなく、ともに表に立って行動しなければ、うまく行かないことが多いでしょう。

悪徳会社などで、いい加減に残業代をごまかされている場合もあります。
未払い残業代があるけれど、証拠が内から請求ができない。それで泣き寝入りは馬鹿馬鹿しいことです。
きちんともらえるものは請求してもらいましょう。

弁護士などでは、労働問題に詳しいのなら、然るべき手段で請求ができるように指導されることになります。
ここは大きな期待です。

退職後の残業代請求について

残業代請求は退職後でもOKです。
従業員としての権利がなくなった後で請求ができないのではなく、退職をしたので、残業代請求を堂々とできるというものです。
在職中の残業代請求では、その場良いのですが、その後会社に居づらい等のデメリットがあります。

退職後の残業代請求の方が多い

残業代請求を行うことを、退職してから行うが急増しています。
これは勤務先での人間関係が乱れることで、仕事がしづらい場合も多いです。
退職後では、そんな不安も不満もなく請求ができます。

退職後の残業代請求の注意点

退職してからの残業代の請求をするのは、時効があるので注意して下さい。残業代の未払い分があるとすると、2年未満に請求しなければならないです。2年以降では、残業代請求をしても無効であり、支払いしてもらえません。ですから、退職後で2年以内にことを始めないとNGです。

いつまでも待っていたら時効が過ぎてしまいます。
この2年というのは、在職中も有効の時効です。5年前の残業代請求したいと言っても、支払いをしてもらえません。

使用者側がしなくてはならないこと

退職後の残業代請求では、内容証明郵便で残業代の請求をしましょう。
まずはこれが最初です。そのときに、自分が請求しますと半年間だけ時効を遅らすことができます。

そして、在職していないので、資料が集めるのも大変ですが、訴訟の内容を半年間で用意して行う手もあります。
内容証明郵便で、企業側が対応してくれることで簡単に解決ができますが。

難しいのが証拠集め

在職中に収集ができる証拠の内容ですが、退職後はなかなか集められないことが多いです。
そこで、在職中の証拠集めが理想です。退職が残業代の未払いが原因である場合は、退職までの不満が多いことでしょう。

そこで、できれば在職中に動くことが理想とされています。
しかし、現実にはどこまでできるかになります。証拠の隠蔽されることがあります。
退職してしまってからの残業代請求だけは大変だということを確認して下さい。

弁護士に相談を

証拠が集まらない時点での残業代請求に関しては、自分ではどうにもならないことがあります。
そのときには、請求のプロである弁護士等に内容の確認をして下さい。

どこまでできるかは不明ですが、退職後2年であれば、残業代請求が可能になります。
相談だけでもしてみて下さい。請求の不可については、弁護士の話しを聞いてから決めることになります。
ただ不当に残業代未払いであるのなら、やるだけやってみましょう。

残業代請求の相談先は?

残業代請求では、1人で行う、集団で行うの方法があります。
在職中にはうちには残業代の支払いがないよね。未払いになっているのを黙ってみているしかない?
そんなことはありません。1人でも集団でも残業代請求は可能です。

弁護士

弁護士に相談も数人で行うことも可能です。
残業代請求をすべて話して、訴訟まで行くとしてもこころ強いパートナーです。

最近では、労働問題に強い弁護士などが残業代請求の手助けをしています。
そこで話しをすることで証拠集めだけではなく、代理交渉も依頼することができます。
最初に行うのが弁護士に相談が良いでしょう。

労働基準監督署

ここは、地域の企業、事業者の労働の法律を守っているかを監督しているところです。
ここに直接残業代の未払いがあることを使用者の立場から訴えることができます。

ここでは、支払い命令をするのではなく、指導監督程度です。
ですから、請求と言うには弱いですが、労働基準監督署の指導だけで手のひらを返したように支払い応ずる企業もあります。
指導勧告だけなので、自主支払としてもらえることが多いです。対外的に体裁を気にする企業では、その反応は素早いです。

労働局

労働基準監督署と似ていますが、こちらは企業側、労働者側の間に介在します。
ですから、一方的に支払いをするよう指導をするのではなく、両者の話し合いの場を作ることが目的です。
未払いのお金がある、正々堂々と話しをするときの第三者機関としての立場です。

労働組合があれば

これは労働組合があれば、即通報です。
ただし、どの程度労働者の味方になっているかは確認が必要です。
社内の労働組合では、経営者となあなあ関係になっているときには、残業代請求は不発に終わります。

社内では、相談先を勘違いしてしまうと、自分が不利な立場になってしまうことがあります。
本来は労働者の味方のはずですが、労働組合の内容を確認の上、動くことです。

味方がいれば、仲間がいれば

残業代請求のときに1人ではないことがわかるのはとても心強いです。
今はどんな場合でもまずは弁護士に相談が妥当です。無料の相談ができる場合もあります。

そのときに1人ではないことで、様々な情報共有も可能です。
インターネット上で残業代請求の記事、弁護士のホームページなどが存在しています。
どこにどう何を話した良いかがわかりますので、勇気を出して電話やメールを送ってみて下さい。
1人でも集団でも、まずは弁護士相談が残業代請求のスタートでしょう。